ホーム > 市場情報を調べる > マーケットレポート > マーケットレポート詳細

マーケットレポート

英国のEU離脱を巡る国民投票は、僅差で離脱支持が上回る

◆国民投票の結果は離脱支持が残留支持を上回る

 英国では、現地時間6月23日、EUからの離脱を巡る国民投票が行われました。翌24日の開票結果によると、離脱支持が52%、残留支持が48%と離脱支持が残留支持を上回る結果となり、これを受けて金融市場では英ポンドとユーロが急落したほか、対主要通貨で大幅に円高が進行しました。

  

◆英国民は移民に対する問題を強く意識し、離脱支持

 英国のEU残留を支持する意見としては、英国経済に与えるマイナスの影響が大きいことなどが挙げられており、そのことは英国政府やOECD(経済協力開発機構)などからも指摘されていました。一方で、EU離脱を支持する意見としては、EU域内からの移民によって発生する社会的コストの大きさなどが挙げられており、移民に対する社会保障についてもEUの決まりで英国が自由に制限することができない状況などが問題視されていました。

 事前の世論調査では残留支持と離脱支持がきっ抗していましたが、経済に対する問題よりも移民に対する問題を強く意識した国民が多かったとみられ、僅差で離脱支持が残留支持を上回る格好となりました。

  

◆英国経済にはマイナスの影響が大きく出る見通し

 今回の投票結果を受けて、英国が今後EUとどのような協定を結ぶのかに注目が集まるとみられます。協定がどのような形をとるかは不透明な部分が多く、具体的な方針が決定するまでは、英国内外で新規の投資を控える企業が増えると予想されます。英国財務省はEU離脱が英国経済に与える影響についての試算レポートを公表していますが、EUからの離脱は少なからず貿易や海外投資を縮小させる方向へと動くことになるため、いかなる形態の協定が結び直されたとしても経済に対してマイナスの影響が大きく出ると結論づけています。

 

対EU協定の選択肢と経済的影響

 

 また、協定の形態によっては英国が金融機関のシングルパスポートを喪失する可能性も指摘されています。シングルパスポートとは、金融機関がEU加盟国のどこか1ヵ国でも認可を取れば、EU全域で業務を展開できる制度です。そのため、多くの金融機関は国際金融取引の中心都市であるロンドンに拠点を構えて業務を行っていますが、シングルパスポートを喪失することになれば、本部機能を欧州大陸へと移転させる金融機関も現れ始めると予想されます。

  

◆金融市場に対しても下押し圧力が強まる見通し

 英国のEU離脱は金融市場に対してもマイナスの影響を及ぼすと考えられ、特に英ポンドやユーロの下落を招くと予想されます。
 英ポンドについては、国際決済通貨としての役割を担ってきたことなどから、英国のEU離脱によって短期的に大きく下落することが見込まれます。また、英国経済は投資や貿易の減少によって失速する可能性が高く、さらにシングルパスポートを喪失するような事態になれば金融取引の規模縮小も予想されることなどから、英ポンドは中長期的に下落基調を辿ると想定されます。
 ユーロについては、英国の貿易・金融取引の主要な相手地域がユーロ圏であったことなどを考慮すると、短期的に下落することが見込まれます。また、今回の投票結果はユーロ圏の経済面のみならず、政治面にも大きな影響を与えると考えられ、他のEU加盟国も離脱へ動く可能性(ドミノ離脱懸念)が高まると予想されます。こうした政治的な不透明感の強さが、ユーロに対して中長期的に下押し圧力をかけると想定されます。

 

為替の推移

 

 

◆世界経済にも影響する英国のEU離脱

 英国のEU離脱は英国や欧州のみならず、世界経済にも影響を与えるとみられ、IMF(国際通貨基金)は4月の世界経済見通しで、貿易関係の混乱などを通じて世界レベルで深刻なダメージをもたらす可能性があるとしています。また、OECDは英ポンドやユーロの下落など金融市場の混乱が世界経済へ与える影響を試算しており、いずれもマイナスの影響が大きいと結論づけています。
 金融市場の動きについては、当面英ポンドとユーロが下落基調で推移すると見込まれるほか、英国に欧州の拠点を置く世界的な銀行などを中心に株価が下落すると考えられます。また、世界経済の不透明感を受けて、米国の利上げに向けた動きはさらに慎重になるとみられ、リスク投資におけるリスクとは「将来の収益の不確実性」を指す。回避の動きなどから相対的に円に対する上昇圧力がかかる展開になると予想されます。

 

 

英国のEU離脱による金融ショックがGDPに与える影響

 

 

「投資信託へのご投資に際しての留意事項」はこちらをご覧ください。

当ページは新光投信が作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類あるいは販売用資料のいずれでもありません。当ページは証券投資の参考となる情報の提供を目的とし、投資の勧誘を目的としたものではありません。当ページは信頼できると考えられるデータなどに基づき作成していますが、その内容の正確性・完全性を保証するものではありません。当ページは事前の通知なしに内容を変更することがあります。特定ファンドの購入のお申し込みの際は、販売会社から投資信託説明書(交付目論見書)および契約締結前交付書面など(目論見書補完書面を含む)をあらかじめお受け取りのうえ、詳細をよくお読みいただき、投資に関する最終決定は、ご自身の判断でなさるようお願いします。

 

ページトップへ

PAGETOP