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マーケットレポート

日本銀行が金融緩和の強化を決定

◆日本銀行が金融緩和の強化を決定

 日本銀行は7月28~29日に金融政策決定会合を開催し、金融緩和の強化措置を決定しました。具体的な決定内容は、①ETF買入ペースを年間約6兆円へ増額(現行の約3.3兆円からほぼ倍増)、②企業・金融機関の外貨資金調達環境の安定のための措置(成長支援資金供給の米ドル供給枠の倍増等)――の2点です。
 日本銀行は今回の決定について、金融市場変動に起因する不確実性が企業や家計のコンフィデンス(信頼感)の悪化につながることを防止するとともに、我が国の企業及び金融機関の外貨資金調達環境の安定に万全を期し前向きな経済活動をサポートするためとしています。
 そのため、今回の決定内容は、英国のEU離脱を巡る国民投票の前後から目立つ米ドル調達コスト上昇の抑制や、金融市場の調整リスク投資におけるリスクとは「将来の収益の不確実性」を指す。軽減という金融市場への対症療法的な側面が強いと思われます。

 

 

◆より積極的な金融緩和策は打ち出されず

 エコノミストを対象とした事前調査(ブルームバーグ調べ)では8割程度が何らかの追加金融緩和を予想していたため、今回の会合において金融緩和の強化が決定されたこと自体は市場の予想通りといえます。しかし、7月12日に行われた安倍首相とバーナンキ前FRB(米連邦準備制度理事会)議長の会談を受けて、ヘリコプターマネー(恒久的なマネタリーベースの増加)等、より積極的な金融緩和策が打ち出されるとの期待も広がっていたため、今回の決定内容はやや物足りないと評価する向きもあります。そのため、ETF買入ペース増額の直接的な恩恵を受ける国内株式市場は上昇しましたが、円/米ドル相場は円高米ドル安方向に振れました。

 

  

円と米ドル相場と日経平均の推移 

 

 

◆物価安定目標の達成時期は2017年度中に維持

 日本銀行が公表した「展望レポート」では、前回見通し(4月)で前提とされていなかった消費税の増税延期や政府の景気対策により期待される効果が反映されました。その結果、成長率見通しについては、2016年度こそ年初からの円高等から下方修正されたものの、2017年度は上方修正されており、均してみれば日本経済は前回見通しより高い成長経路を辿るとの想定になっています。物価見通しについては、短期的には年初来の円高進行等が下振れ要因となるものの、中期的な成長率の上振れから、物価安定目標(2%)の達成時期は2017年度中に維持されました。
 ただし、日本銀行は、海外経済・国際金融市場を巡る不透明感等を背景に物価見通しに関する不確実性が高まっており、次回会合(9月20~21日開催)においてこれまで実施された政策の効果について総括的な検証を行うことを明らかにしています。これにより、日本銀行は次回会合に向けて市場の追加金融緩和期待をつなぎとめたともいえます。

 

日本銀行政策委員の経済・物価見通し

 

 

◆次回会合での「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」に対する評価に注目

 日本銀行は、「量」(日本銀行のバランスシート拡大)・「質」(リスク投資におけるリスクとは「将来の収益の不確実性」を指す。性資産の購入)・「金利」(マイナス金利)からなる現行の「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を必要に応じて強化していく方針を改めて示しました。
 しかし、長期国債の買い入れを軸とした「量」による緩和については、民間金融機関の国債担保需要を考慮すれば、2018年までに限界を迎えるとの試算がIMF(国際通貨基金)や民間シンクタンクによって示されています。こうしたなかでの国債買い入れの増額は、今後の「量」による緩和の限界がより早期に到来するとの見方を強める恐れがあります。また、「金利」については、実質金利を引き下げることで景気を押し上げる効果が期待でき、特に不動産など金利敏感セクターにとっては追い風となると考えられますが、金融機関の収益悪化や企業の退職給付債務増加といった副作用があることを考慮すれば、一段の引き下げには慎重さが必要であると思われます。
 主要先進国の中央銀行による金融政策の限界論が市場で意識されるなか、次回会合では、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」に対する評価と、政策の持続可能性に関する見解が明らかにされるか注目されます。

 

 

 

 

    

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